2012年3月10日土曜日

TPP交渉 判断基準まとまる 聖域なき関税撤廃反対 自民党 (03月08日)


自民党は7日、TPPについて、政府が「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対することを柱に、交渉参加の是非の判断基準「TPPについての考え方」をまとめた。政府が米国などとの事前協議で安易な妥協を重ねないよう縛りをかけるもので、従来より慎重な姿勢を鮮明にした。次期衆院選マニフェスト(政権公約)にも反映させる。

 判断基準は、党外交・経済連携調査会(高村正彦会長)で決定をした。総務会などを経て、早ければ週内にも党全体の方針とする。同方針は、政府が進める交渉参加9カ国との事前協議について「外交の常識では、事前協議の段階から事実上の交渉は始まっている」と指摘。政府が「国民の知らないところで交渉参加の条件に関する安易な妥協を繰り返さぬよう」、判断基準を示すとした。

 判断基準は、外交や農林などの部会長でつくる党TPP検討小委員会(林芳正委員長)が原案を策定し、この日の同調査会に提示した。議員約50人が出席し、TPP推進派も含む約20人が発言したが大筋は賛成。最終的に高村会長と林委員長に一任され、原案通りで決定した。

 TPPについて自民党は昨年11月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)での交渉参加表明に反対する方針を決めたが党内には推進論も根強く、その後は明確な方針を示せずにいた。

 今回の判断基準は、具体的な懸念事項を掲げて対応方針を示しており、野党第一党としてこれまでよりも慎重な姿勢に踏み込んだ格好。政府の交渉姿勢や与党内の議論にも影響を与えるのは必至だ。

 山田俊男農林部会長は「農産物など重要品目を関税撤廃の例外としない限り、参加はあり得ないということ。民主党政権が方針を定めずに事実上の交渉を進めることへの危機感で、党内がまとまった」と語った。

・TPPについての考え方 (全文)
 TPPについては、国民の理解を得るための情報が決定的に不足しており、政府の改善努力も全く見られない。従って、国益を踏まえて、何を取り、何を守るかの国民的議論が未だ深まっていない。

 昨年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)前に、野田佳彦総理は「(交渉参加のための)関係各国との協議を開始する」と表明したが、これは国内的事情によって、あえて曖昧な表現にしたものであり、外交の常識では、事前協議の段階から事実上の交渉は始まっていると言わざるを得ない。

 アジア太平洋地域における経済連携については、さまざまなオプション・進め方(例えば、東南アジア諸国連合=ASEAN=プラス3/プラス6など)が考えられ、わが党もその構築の必要性については、関係各国、国内各層と共有してきたところである。さらに、日・欧州連合(EU)や日・中・韓の経済連携も着実に進めていくことが重要である。

 また、アジアが今後も世界の成長センターとしての地位を維持していくために、米国との経済的なつながりを一層強くしていく必要があることは言うまでもない。わが国は、米国も含めたアジア太平洋全体の経済発展に主体的に取り組んでいく。

 政府が11月と同様に二枚舌を使いながら、国民の知らないところで、交渉参加の条件に関する安易な妥協を繰り返さぬよう、わが党として、この段階から以下の判断基準を政府に示すものである。

 (1)政府が「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対する。
 (2)自由貿易の理念に反する自動車などの工業製品の数値目標は受け入れない。
 (3)国民皆保険制度を守る。
 (4)食の安全安心の基準を守る。
 (5)国の主権を損なうような投資家・国家訴訟(ISD)条項は合意しない。
 (6)政府調達・金融サービスなどは、わが国の特性を踏まえる。


日本農業新聞

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